「蝶ネクタイの標本」blog | BOWTIE SPECIMENS

蝶ネクタイ ブランド「蝶ネクタイの標本」のブログ。蝶ネクタイの歴史,結び方,種類など、ネクタイ史研究を土台に生み出す作品を発信します。"BOWTIE SPECIMENS" is Traditional and Creative BowTie brand. How to tie 23 ways BowTie Knot ? 150 years History , many design types.

蝶ネクタイ シャツ 襟 結婚式の選び方とは?/ボウタイ/まとめ/カジュアル/組み合わせ/ボタンダウン/立襟/スタンド,カラー/メンズ/衿型/BowTie and Shirt Types

BowTie and Shirt

 

 

 

f:id:another-design:20160607131850j:plain ©Another-Design-Inst. 蝶ネクタイシャツ

 

 

各シーンにおいて、蝶ネクタイとシャツの衿型の合わせ方、ルールのようなものはあるのか。

 

 


歴史を見る限り、そのようなものはないと思います。もちろんどんな時代でも、細かく見ればうんちくを語る人というのはいますが、現実に"正しさ"は常に変化を続けています。



ただし、欧米人が作ったメンズ服飾史、とくにスーツ-スタイルの歴史を見れば、ドレスコード(Dress Code)という名の制約が、カジュアル化(何でもあり時代)の進む現在でも、生き残っています。

 

 

 

f:id:another-design:20160607131858j:plain©Another-Design-Inst. 蝶ネクタイ用シャツ

 

 

その視点から見れば、燕尾服(Most-Formal)、モーニング(昼の礼装)、タキシード(夜の礼装)の様な礼装に関しては、ネックウェアとシャツもセットで制約は現存しています。


燕尾服のルール

燕尾服には白の蝶ネクタイ(White Tie)が規定されています。素材は歴史的には麻か綿(コットンピケ)とされてきましたが、現在はノーベル賞の授与式でも、クラシック音楽家でもサテン生地の使用が多く見られます。



シャツ衿1900年代頃は、Wing CollarStanding Collar(立ち襟)が選択できたようですが、1930年代から現在まではWing Collarのみとされています。

 

 

 

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© Wikimedia Commons / Mustafa Kemal Atatürk 1923 

 

 

 

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© Wikimedia Commons / Louis-Napoléon Bonaparte (1856-1879)

 


モーニングのルール
モーニング(Morning Coat/Cutaway)
には、慶事用の生地を使用した結び下げネクタイ(Four-In-Hand Tie)が規定されています。20世紀中頃まではアスコットタイも選択肢とされていました。



歴史的に1900年代頃は、モーニングはまだフロックコート格下の礼装でしたが、1930年代にはフロックは完全に消滅したとされています。

 

 

 

シャツ衿1930年代以降、現在までWing CollarFolding Collar(折り襟)の選択が可能とされています。

 

 

 

「黒」は日本の常識、世界の非常識 (小学館101新書)

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ちなみに初期のアスコットタイは、現在のシャツ釦を外して中に突っ込むような崩れた着こなしではありませんでした。この辺りは過去の記事を読んでいただければと思います。

 




またあまり知られていませんが、モーニングに蝶ネクタイを結んでいた事実もあります。よろしければ、以下の記事もご参考にどうぞ。


 

 

タキシードのルール

そしてタキシードには、光沢のある黒の蝶ネクタイ(Black Tie)が規定されています。歴史的には1900年代はグレーでもOK、1930年代は濃紺もOK、夏は栗色もOKだったようです。



実質的に今の日本社会では、BLACK TIEの指定でもない限り、単なる夜間パーティーでタキシードに黒以外のボウタイをしていったとしても、「個性的ですね」と思われて済む時代です。



タキシードのシャツ衿は、モーニングと同様にWing CollarとFolding Collar(折り襟)が選択可能とされています。そもそもラウンド形やワイド形衿も、Folding Collar(折り襟)の1つと考えると、結局スタンドカラー以外は何でもあり?と思ってしまいますが、



欧米社会もそこまで細かいことは気にしていない節があります。未だ生真面目にルールに従おうとしているのは、我々ニッポン人くらいのものかもしれません(⌒-⌒; )

 

  

f:id:another-design:20160607131909j:plain©Another-Design-Inst. / 1900s France , Detachable collar ディタッチャブル・カラー

 

 


蝶ネクタイとシャツ衿のまとめ
話が長くなってしまいましたが、要するに普通のスーツカジュアルな服装では、シャツ衿は自由に選択してよいというのが客観的な結論です。

 


19世紀後半の写真資料でも、フロックコートや燕尾服だけでなく、ラウンジスーツ(現在のスーツの前身)に合わせ、蝶ネクタイを結んでいる紳士は、いくらでも確認できます。



タキシードなんて蝶ネクタイよりずっと後に出来たものです。20世紀後半は皆んなネクタイ一辺倒で、蝶ネクタイはファーマルアイテムとしてしか認識していない人が多いのかもしれません。



残念ながらネット上のフォーマル・ルール情報は、多くが何かのコピーで適当に書かれています。書いてる人も誰かはっきりしなかったり、時代感覚がズレていたり。 まあいいや ^_^;

 

 

 

また多くの日本人にとっては、燕尾服もモーニングもタキシードも、一生のうちに着る機会はほとんどありません。それなのにドレスコードを気にするあまり、萎縮した慶事の礼装が日本社会を覆っています。

 

 

 

そんな中で結婚式に「スーツとボウタイ・スタイル」の人が確実に増えて来ています。本当はもっとお洒落したいと思っている男性は大勢いるわけです。

 

 

 

かつて一部の欧米人が作ったルールに対し、ニッポン人としてその魅力を享受するのは良いとしても、現在の自分達のスタイルさえも過去や外国人に縛られているとしたら、こんな滑稽な話はありませんね(⌒-⌒; )

 

 

 

昔の方が選択肢が多かったという事実 

かつてディタッチャブル・カラーという、取り外し式の衿・イカ胸・袖が主流だった頃は、本当に多種多様な衿の形状があり、男たちはそれを楽しんで選んでいたはずです。

 

[参考] Antique Men's Collar Display

 

 

 

ボタンダウンの歴史

ボタンダウン衿に関しては、ポロ競技がきっかけとされるように、スポーティで機能的な起源を持ちます。わざわざ結婚披露宴などで、ボウタイと合わせる衿として選択しようとは、個人的には思いませんが (⌒-⌒; )j

 

 


シャツ衿のループ
あと、スタンドカラーやウィングカラーは、ボウタイの首回りがズレやすいので、衿後ろにループ付きの方が安定します。衿型の種類については、以下のシャツメーカーさんのサイトが親切です。

 


 

私の長い話に耳を傾けていただき、ありがとうございましたm(_ _)m

 

 

f:id:another-design:20160607132013j:plain©Another-Design-Inst. / Straight(Forward)-Point Collar 蝶ネクタイ シャツ 結婚式

 

 

 

f:id:another-design:20160607132040j:plain©Another-Design-Inst. / Semi-Spread Collar 蝶ネクタイとシャツ

 

 

 

f:id:another-design:20160607132100j:plain©Another-Design-Inst. / Round Collar 蝶ネクタイのシャツ

 

 

 

f:id:another-design:20160607132122j:plain©Another-Design-Inst. / Button-Down Collar 蝶ネクタイにシャツ

 

 

 

f:id:another-design:20160607132152j:plain©Another-Design-Inst. / Wing Collar 蝶ネクタイ シャツ 合わせ方

 

 

 

f:id:another-design:20160607132211j:plain©Another-Design-Inst. / High-Standing(Band) collar 蝶ネクタイ シャツ衿

 

 

 

 

 

 

 

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