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蝶ネクタイの結び方 How to Tie a Bow Tie

蝶ネクタイ(ボウタイ)の結び方、コーディネイト、歴史など。ネクタイ史研究者の蝶ネクタイ・ブランドが発信するブログです。How to tie a BowTie, Styling, History etc. BowTie Specimens Presents.

蝶ネクタイ,テクニック2/ボウタイ飾り/BowTie Accessory | Technique

Techniques / テクニック

BowTie Accessory | Technique

 

 

 

↓ 1分動画で解説します。


  

 

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©Another-Design-Inst. / Square End/4.0cm width

 

 

メンズ服飾史におけるネックウェアの装いには、共に使用されてきたアクセサリーの存在も、大きな魅力です。各アクセサリーと合わせて、オリジナルに楽しめます。

 

 

 

ネックウェアにおけるタイ飾り(Tie Accessory)には、2つの役割があります。1つは結んだ後に[ずれ][ねじれ]を防ぎ、形状と位置を保つ役割です。そしてもう1つは、ネックウェアのアクセントとして飾る役割です。

 

 

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Public Domain / Wikimedia Commons / 1912【 W.R.Mackenzie】

 

 

 

特にメンズ・ネックウェアに古くから使われてきた、アイテムを大まかに分類すると、次のようなものがあります。

 

 


① タイ・ピン系    ( Tie Pin / Stick Pin / Tie Tack ) 
② タイ・クリップ系  ( Tie Clip / Tie Slide / Tie Bar / Tie Clasp )
③ タイ・リング系   ( Necktie Ring )
④ タイ・ブローチ系  ( Tie Brooch )

 

 

これらは現在、主に結び下げネクタイ(Four-In-Hand Tie)に使うものとして認識されています。しかし、歴史上の紳士達の肖像を観察していると、蝶ネクタイにも使っていた事実があったようです。

 

 

 

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Wikimedia Commons / ca.1900【 Gaetano Trentanove】

 

 

 

個人的には、これからの時代の大人のボウタイ・スタイルに向けて、1つのヒントとなるのではないかと考えています。

 

 

 

タイ・ピン(Tie Pin/Stick Pin/Tie Tack)

 

 

 

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©Another-Design-Inst. / Pointed End/2.0cm width

 


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©Another-Design-Inst. / Pointed End/4.0cm width 


 

 

English Wikipediaによると、タイ・ピンは[19世紀初めに裕福なイギリス紳士達が、折りたんで首に巻き付けたクラヴァット(Cravat)を、しっかりと固定するために使い普及した。]とあります。[wikipedia:en]

 

(米)ウォルターズ美術館に所蔵されている、100年以上前の貴重なクラヴァット・ピンを、Wikimedia Commonsで閲覧することができます。The Walters Art Museum / Stick Pin

 

19世紀中頃には、クラヴァットストックといったネックウェアが主流の時代が終わり、タイ・アクセサリーは次世代の蝶ネクタイプラストロン(後のアスコットタイ)、結び下げネクタイへと引き継がれていきます。

 


 

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 Wikimedia Commons / between 1865 and 1880【 James Shields】

 


 

特に初期の結び下げネクタイは、まだ製品の技術面で、ゆるみ、ずれ、ねじれが起きやすく、タイ・ピンは必需品だったようです。

 

また、下の写真のような又の字結び(Gordian Knot)プラストロンも、結んだ後に形状を固定するため、ピン留めが必須だったと考えられます。


 

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Wikimedia Commons / LifeSpan 1828-1895 George Augustus Sala

 

 

一方で蝶ネクタイは、主に水平方向に蝶結びをするため、垂直に強く引っ張ることになる他の2アイテムほどには、機能的には必要とされなかったようです。

 

ちなみに、より具体的な分類をすれば、20世紀初頭辺りまで、歴史的に機能的な役割を果たしてきたタイ・ピンというのは、重なった生地を貫通して固定きるような針の長めのピン、つまりStick Pinのことを指すと考えられます。

                


 

タイ・クリップ(Tie Clip/Tie Slide/Tie Bar/Tie Clasp)

 

 

 

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©Another-Design-Inst. / Pointed End/4.0cm width

 

 

 

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©Another-Design-Inst. / Square End/5.0cm width

 

 

 

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©Another-Design-Inst. / Wide Pointed End/6.0cm width

 

 

 

タイ・クリップに関しては、英語圏でも呼び方が複数あるようです。Tie Clip / Tie Slide / Tie Bar / Tie Clasps、いずれもGoogle Imageで検索すると、同様のアイテムが出てきます。[上記リストでリンクしています] 



バネによって挟むタイプをタイ・クリップ、バネのない挟み式をタイ・バーと解説している過去の文献もありますが、現状はあいまいになっています。

 


 

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Wikimedia Commons / 1860-1900【 Thomas Williams】

 

 

歴史的に見ると19世紀後半の肖像からも、上の写真のようなタイ・クリップらしきものは稀に確認ができますが、先に解説したタイ・ピンとは異なる役割で、普及したのではないかと思います。

 

タイ・ピンがどれも結び目部分か、そのすぐ下辺りに刺して固定しているのに対し、1920年代頃から現在までに見られるタイ・クリップは、さらに下の胸の辺りでネクタイを挟み込んでいます。

 

この留める位置の変化は、1920年にニューヨークのテイラージェシー・ラングスドーフ(Jesse Langsdorf)が、当時までの結び下げネクタイの欠陥を解決する技術革新をしたことと、関係しているのではないかと思われます。

 

 

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© Another-Design Institute  / Four-in-hand Tie [width 4.0cm] / Tie Clip Accessory 

 

 

彼は、生地のバイアス仕立てThree Piece 構造を採用し普及させました。このことで[伸縮性がでる][結びやすく解けにくい][シワになりにくい][ねじれず真っすぐ垂れる][立体感がでる]というような改善がありました。

 

その結果、結び目付近にタイ・ピンを刺すという、機能的な行為が必要性なくなったと考えられます。タイ・ピンには、生地に穴をあけてしまうという欠点もありました。
[参考]  Clifton Charles Blog

 

1920年代に普及したタイ・クリップの機能的な役割は、[シャツの前立てと共に挟み固定する][大剣を上に浮かせて固定し立体感を持たせる]といったタイ・ピンとは少し異なる役割を持ち、広く受け入れられたものと推測されます。

 

 

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©Another-Design-Inst. / Square End/4.0cm width 

 

 

                 

ちなみにタイ・チェーン(Tie Chain)というアイテム名も、耳にすることがあります。これは装飾的なタイ・クリップの1つとして、存在してきたアイテムのようです。
[画像] Vintage Tie Chain
  

 

 

また同名で、鎖(くさり)でネクタイを囲い、金具をシャツのボタンに引っ掛けるタイプもあります。どちらも今のところ、19世紀の肖像などには存在は確認できません。

 

[画像]  Tie Chain [wikipedia:en:Tie Chain]    

 

 

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©Another-Design-Inst. / Pointed End/4.0cm width 

 

 

タイ・リング (Tie Ring)  

 


 

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©Another-Design-Inst. / Wide Pointed End/8.0cm width

 

 

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©Another-Design-Inst. / Pointed End/3.0cm width


 

 

タイ・リング(Tie Ring)は、「輪の中にネック・ウェアを通した後、そのまま締め上げてネクタイを固定する場合」と、「一度ネクタイを結んだ後に、輪を通して装飾的に配置される場合」とがあります。


 

歴史的には、遅くとも19世紀後半までの肖像写真で確認ができます。タイ・リングと言っても用途を変えれば指輪であり、単にネック・ウェアに使っているリングに過ぎません。合わせてみたい指輪があれば、試してみるのもよいかもしれません。

 

 

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Wikimedia Commons /  between 1870–1880【 Joaquin_Miller】

 

 

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Wikimedia Commons / LifeSpan 1848–1917Octave Mirbeau】

 

 

タイ・ブローチ (Tie Brooch)



 

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©Another-Design-Inst. / Square End/5.0cm width


 

 

ここで言うブローチとは、先に解説したタイ・ピンよりもさらに大きな 飾りパーツを意味します。ヴィクトリア期[(英)1837~1901]の女性は、下の写真のように非常に多種多様なネック・ウェアとブローチを身に付けていました。

  


 

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Wikimedia Commons / ca.1852【 Unidentified Woman 】

 

 


歴史的にメンズウェアとしては、下の絵のような17世紀の垂れ衿(Fallimg Band)に、ブローチの使用を見ることができます。


蝶ネクタイの中央にブローチを付ける男性スタイルは、ヨーロッパの歴史映画で見たことがあります。

  

 

 

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 Wikimedia Commons / 1642【 Erbprinz Christian von Dänemark】 

 

 

 

 

 

Under The Collar History Photo

 


 

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Public Domain / Wikimedia Commons / ca.1860【 Mikhail Bakunin】

 

 

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 Wikimedia Commons / between 1870 and 1880 StateLibQld 1 148759】

  

 

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Wikimedia Commons / ca. 【 Georges Duhamel】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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